「次はどこに行くの?」
「いや、とりあえず家で主夫に専念して、ゆっくりしようかと」
「えっ、他に家で何するの?主夫だけ?」
「……まだ決めてないです。これから考えます(笑)」
退職の挨拶回り。
定番のやり取りの中で、私は何度この言葉を浴びたでしょうか。
「もったいないねぇ」
日本人が大好きなこの言葉。
これを聞くたびに、私の心の中の「分析担当大臣」が静かに立ち上がります。
「一体、何が“もったいない”のか、詳しく説明してもらおうじゃないか」と。
今回は、退職を機に直面したこの「もったいない」の正体を、冷静に解剖してみます。
1. 安定と収入、さらば愛しきマシーンよ
まず最初に思い浮かぶのは、やはり「安定」と「収入」です。
会社員という立場は、毎月決まった日に通帳の数字が増える、ある種の魔法システム。
それを自ら手放すのは、RPGで言えば――
「宿屋に泊まればHP全回復」というチートを捨て、野宿で回復する人生」
そんなイメージです。
しかし、私は気づいてしまいました。
その「安定」の裏で支払っていたのは、
“深夜の脳内会議”という見えないコストだったことに。
寝る前に明日の仕事をシミュレーションし、悶々としたなかでの睡眠。
気づけばもう朝。・・・さあ、今日も一日頑張るか。。。
朝が一番ローテンションで始まる日々です。
若くして自由を得るという選択は、確かに資産が増えるスピードを落とします。
ですがその代わりに手に入るのは――
「ストレスからの解放」という最強のバフ
私はお金の代わりに、
「自分の人生を自分で運転する権利」を買い戻したのです。
2. 「配置転換もできたのに」という最後の甘い罠
挨拶回りのクライマックスで、次長からこう言われました。
「言ってくれたら、配置転換も提案できたのになぁ。新しい開発の仕事とかさ」
……おっと、心が揺れます。
それ、私が一番やりたかったやつ。
会社員生活の中で、ずっと狙っていたポジションです。
ここで「もったいない」の波が、一気に押し寄せます。
しかし、ここで再び登場する分析担当大臣。
「退職の意思を伝えたのは、半年前だぞ?」
そう、半年もの時間があったにもかかわらず、その提案は一度も出てこなかった。
それが最終日に突然出てくるということは――
これは極めて完成度の高い“社交辞令”です。
もしここで私が「じゃあ残ります!」と言っていたら、
おそらく次長はこう続けたでしょう。
「いや、まずは枠があるか確認しないと……」
冷静に分析すれば、退職の判断はやはり妥当。
危うく、綺麗に包装された「タラレバ」に引き戻されるところでした。
3. 健康こそが最大の資本
長時間座りっぱなしの生活の結果、私の身体はすっかり――
「省エネ」ではなく「錆びついた機械」状態
久しぶりに走ると、自分の心臓の音に驚くレベルで息が上がります。
そんな今、私が取り組んでいるのは
- 散歩
- トランポリン
昼間からトランポリンで跳ねる元会社員。
客観的に見れば、確かに「もったいない」の極みかもしれません。
ですが、これは紛れもなく投資です。
健康を失ってからでは、キャリアも収入も意味を持たない。
いつか「トランポリン効果」で体力が10代並みに回復したら――
その時は、このブログで全力でドヤります。
結論:後悔は、自由のスパイス
挨拶回りで浴びた大量の「もったいない」は、
翌日以降、じわじわと効いてきました。
「あれ、本当にこれでよかったのか?」
そんな小さな揺らぎは、確かにありました。
けれど、後悔はありません。
今の私は、安定という名の檻を抜け出し、
「まだ何も決めていない」という贅沢な余白の中にいます。
「もったいない」と言われるのは、
それだけ価値のあるものを持っていた証拠。
それを手放してでも手に入れたかった――
「自分の時間」を、今は全力で味わいます。
さて、今日は何をしようか。
とりあえず、トランポリンを5分。
そのあとは、世界で一番贅沢な
「何もしない時間」を過ごしてみようと思います。

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